【ハードウェア】

音声認識技術を使い
40cc/70gの超小型化を実現

NTT、腕時計タイプのPHS端末機を開発

wearable PHS '96/6/19 発表



 NTTは、容積40cc・重量70gの超小型腕時計タイプのPHS端末機を開発したことを発表した。NTTでは、音声認識技術を使った「音声ダイヤル機能」を実現。これにより、小型化する上で大きな問題となっている操作ボタンの数を削減、腕時計サイズまで端末を小さくすることに成功したもの。
 今回開発された端末は試作品で、NTTでは、今後この試作機の検証を通じて機能や使い勝手を向上させていく。

【音声ダイヤル機能】
 音声ダイヤル機能とは、電話をかける際に、通話先の電話番号やあらかじめ登録してある相手の名前をPHS端末機に向かって発声すると、音声認識技術によりその音声を電話番号に変換する機能。

【拡声通話】
 今回の試作機では、使い勝手を優先するため、本体にマイクとスピーカーを内蔵しての拡声通話を基本としている。NTTでは高性能なハウリング防止機能を開発、マイクとスピーカーを小さな本体内に同居させることを可能にした。なお、オプション機能として、イヤホンとマイクのイヤーセットも使用可能となっている。

【今後の予定】
 今回の試作機では、音声認識機能部分とハウリング防止機能部分を親機に組み込んでいる(図参照)。このため、PHS公衆基地局との通信はできないが、97年末に開発予定のバージョンでは、これらの機能を低消費電力のLSIにしてPHS端末機に組み込み、通常のPHSと同様に使用できるようにする予定。同時に、アンテナや電池の各機能部分の小型化・高密度化も進めていく。
 また、使い勝手の面でも、腕時計形のほか、ブローチ形など、“ウェアラブル・コミュニケーションツール”としてのデザインなど、実用化を前提とした研究開発を進めていくとしている。

【試作機構成図】

('96/6/19)


[Reported by hiroe@impess.co.jp]


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